2007-01-01から1年間の記事一覧

 カブールの燕たち ヤスミナ・カドラ

「テロル」を読んで、ぜひこれも読まねばと思いつつ、 はや半年が過ぎていた。こらこら。 舞台はタリバンに統治されたアフガニスタンの首都カブール。 自由な言動は極端に制限され、町では私刑が横行する。 人間としての尊厳を失うまいとしながら、 希望も未…

 片想い  東野圭吾

大学のアメフトの仲間との再会。 そして、打ち明けられた秘密。 最初は単なる殺人事件かと思ったら、 ジェンダーの問題、夫婦、友情、などなど 深い深い。 そして複線の張り方がすごいすごい。 そうか、最初のアメフト部の飲み会の会話が こんなところの複線…

 メタボラ  桐野夏生

気が付くと沖縄の森の中を走っていた「僕」。 記憶喪失になっていることに気が付き、 森で出会ったジェイクと行動を共にする。 「僕」はジェイクに「ギンジ」という名を与えられるが、 その後、別れてそれぞれ仕事を見つけて生活する。 そのうち、「僕」は自…

 求めない 加島祥造

先日、新聞広告に出ていた本。 激務がずーっと続いていて、 身も心も疲れてぎすぎすしていたときに ふっと目に止まり、ついついぽちっと。 なんだか、元気になれそうかなあ、なんて。 たぶん、本の中身がどうというのではなく 「求めない」という言葉が、そ…

 くうねるところすむところ  平 安寿子

求人広告誌の副編集長として働く梨央は30歳独身。 仕事も恋愛も行き詰まっていたところに、 偶然トビ職の徹男に出会い、一目ぼれする。 それをきっかけに工務店に転職。 しかし、その会社の社長は望まずして社長に就任した郷子。 一方、梨央もなりゆきで現場…

 辞めない理由 碧野 圭

主人公は女性誌の副編集長として活躍している和美。 小学一年生の娘を持つ母でもある。 仕事と子育ての両立で頑張っていたのだが、 ある日突然、理不尽な方法で降格、左遷される。 そして娘も学校でトラブルを起こす。 精神的に追い詰められた和美だが、 左…

 ああ娘  西原理恵子+父さん母さんズ

図書館で予約をして、かなり待たされた。 やはり人気本なのね。 おもしろかったけれど、 たしかに「ああ息子」に比べるとインパクトは落ちるかな。 男の子のおもしろさが突き抜けたおバカっぷりだとしたら、 女の子は、子どもでありながら女である、という点…

 悪人 吉田修一

出会い系サイトで知り合った保険外交員の女性を殺した祐一。 その後同じく出会い系サイトで知り合った別の女性と逃げてしまう。 この殺人事件を軸に、その背景にある人々のさまざまな思いが描かれる。 物語の舞台は福岡。祐一が暮らすのは長崎だ。 町の名前…

 きみの友だち  重松清

小学5年生のときに事故に遭い、松葉杖の生活になる恵美。 その8つ下の弟のブン。 この姉弟と、2人を取り巻く友だちを順に「きみ」と呼びかけ 主人公としながら物語は進んでいく。 勉強もスポーツもでき、生徒会の役員もこなし、 つねに同級生からの羨望のま…

 セックスレスキュー  大橋希

著者は、4年ほど前に私の家族を取材してくれたときの編集ライターさん。 おおっ、本を出していたんだ!これは読まねば。 セックスレスに悩む女性のための相談所「せい」を主宰するキム氏、 そして彼が解決法の一つとして勧める性の「奉仕隊」と それを利用す…

 原稿用紙10枚を書く力  齋藤孝

よん様が読後、気になったキーワードをたくさん並べていたのだが それが、おおっと興味を惹く内容ばかり。 というわけで、読んでみることに。 ライターの仕事をしていて思うのは、 仕事で書くということは、まさに「構築する」ということだと。 私の場合、メ…

風に舞い上がるビニールシート 森絵都

6編の短編集。 この著者の本は初めて読んだ。 一つひとつの作品は、それぞれ主人公たちの性別も仕事も 抱えている大切なものも違っている。 人が大切にしているものは、他の人にとっては どうして?と思うことがある。 それでも、大切にせずにいられない。 …

 あなたの話はなぜ「通じない」のか   山田ズーニー

ズーニーさんの本は「おとなの小論文教室」以来2冊目。 この本は「コミュニケーション」について掘り下げている。 以前、お友だちのブログで 「自分の言いたいことがその場でうまく言えないもどかしさ」 について盛り上がったことがあった。 そうなのだ。後…

 テロル  ヤスミナ・カドラ

ろくさんの書評を読んで、早速図書館に行って借りてみた。 なんだか重たそうな内容で、きついかなあと思いつつも 一応イスラムに関わる身として、ここは頑張って読んでみるかと。 主人公はアラブ系でありながらイスラエルに帰化した外科医アーミン。 仕事も…

 エリザベスは本の虫 サラ・スチュワート

この絵本を読んで「本の虫」になったお子さんがいるということで うちの子どもたちもそうなるといいなあ、という 下心満載で図書館から借りてきた。 小さい頃からひたすら本を「読んで、読んで、読みふける」エリザベス・ブラウン。 ああ、いいなあ。いいな…

 かもめ食堂  

GW中にようやく借りて見た念願のかもめ食堂。 最初に思ったのは、小林聡美がサチエさんにぴったり。 ミドリさんはちょっと違ったかなあ。 でも、原作ほどトンミくんに冷たくなかったのが ほっとした。 そして、映像がきれい。色も。 フィンランドって北の寒…

 その日のまえに 重松清

最近は、気になる本があればとりあえず図書館に予約して 連絡があったら受け取りにいくようにしている。 というわけで、いきなり同時に数冊が回ってきて慌てることも。 そうでなくても、予約して数ヵ月後に連絡が来たときは 「えーと、いったいこれはどうい…

 かもめ食堂  群ようこ

昨年、映画が話題になっていた「かもめ食堂」。 見たいなあと思いつつ、タイミングを逃してしまったが、 risaさんが原作本を貸してくれた。ありがとー。 だいぶん前に借りたのだが、少し読んだところで 図書館で予約した本が回ってきて中断。 で、また最初か…

 Endless SHOCK 2月22日・昼公演

今回で3年目、4度目のSHOCKですが、1階席は初めて。 L列だったのだけど、思ったより近くてびっくり。 さて。いつものようにオーケストラを指揮しながら座長登場。 うわー。こここれは… この間の2階席に飛んできたときくらいの近さでは? 肉眼でさらさらの髪…

 約束 石田衣良

これは、危険な本です。 電車の中で読んではいけません。 涙が止まらないから。 短編集なのだけれど、 最初の「約束」や最後の「ハート・ストーン」など 主人公が小学4年生の男の子というところがまた ユウキと重なってさらに泣けてしまうのかもしれない。 …

いつまでも、変わらずに  エリザベス・バーグ

酒飲みマダム2名がおすすめしていたので読んでみた。 この人の作品は読んだことないなあ。どれどれ。 主人公のマイラは訪問看護を仕事にしている51歳。 ずっと独身だけれど、それなりに1人の生活を楽しんでいて。 そんなとき、患者が1人増える。 高校時代に…

ああ息子 西原理恵子+母さんズ

ええっと、これは、私のための本でしょうか。 私のための本ですね。 世の中にはおバカな男の子たちが、こんなに生息しているんですね。 うちだけじゃあ、ないんですね。よよよ(感涙) いや、周りにも男の子のお母さんはいますよ。 でも、結構草食系の穏やか…

イグアナの嫁  細川貂々

「ツレがうつになりまして。」の第2弾。 イグちゃんがメインであるのだけれどけれど、 イグちゃんとの出会いを通したてんてんさんご夫婦の人生や 仕事のこと、うつになった経緯などが、第1弾よりくわしく描かれていた。 てんてんさんは、以前にとあるイベン…

 Endless SHOCK 1月22日・昼公演

舞台に「Endless SHOCK」の文字がバーンと。 ああ、これだけで感動… ついに、ついに来たのね。この日が。 そして、会場を包むこの熱気。この期待感。 先日の明○座での某舞台と大違い。 ■ストーリー ほとんど変わってなかったけれど、2年目、3年目ときて より…

さくら  西加奈子

なんとなくぎこちなくて、おそらく崩壊している家族が、 久しぶりに正月を一緒に迎えることになる。 でも、その家族も、かつては愛に満ちていて、 きらきらとした時間が流れていて。 どうしてこうなっちゃったんだろう。 そんな疑問を持ちながら読み進めてい…