片想い  東野圭吾

大学のアメフトの仲間との再会。
そして、打ち明けられた秘密。
最初は単なる殺人事件かと思ったら、
ジェンダーの問題、夫婦、友情、などなど
深い深い。
そして複線の張り方がすごいすごい。
そうか、最初のアメフト部の飲み会の会話が
こんなところの複線になっていたのか!と、
うわー、やられたなあ、と。


と、物語自体もとてもおもしろくて
ぐいぐいと引き込まれたのだけれど
(郵便局の待ち時間に読んでいて、呼ばれたのに気付かなかった)
個人的に興味を引かれたのが「男と女の境界」について。
「男と女はメビウスの輪」と表現される部分があるのだけれど、
確かにそうだなと。
働きマン」も「男スイッチ入ります」というけれど
その「男スイッチ」や逆の「女スイッチ」というものなんて
本当はないのかもしれない。
男スイッチも女スイッチも、誰もが持っているもので、
その割合が多いか少ないかというだけの話で。


生物学的に男と女に分けるのは明確だと思っていたけれど
物語の中には、生物学的に分けるのが難しい場合があることも出てきて
そうなると、結局、男と女って、何なんだろうなあと思う。
実は、日本人とパキスタン人というくらいの差しかないのかもしれない。


片想い

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