あなたの話はなぜ「通じない」のか   山田ズーニー

ズーニーさんの本は「おとなの小論文教室」以来2冊目。
この本は「コミュニケーション」について掘り下げている。


以前、お友だちのブログで
「自分の言いたいことがその場でうまく言えないもどかしさ」
について盛り上がったことがあった。
そうなのだ。後になって「ああ言えばよかった」とか、
逆に「あんなこと言わなければよかった」とか、
そう思うことがなんと多いことか。


プライベートだけでなく、仕事でもそう。
特に取材のときに思う。
取材相手が、本当に伝えたいと思っていることを
どうしたらうまく引き出せるだろうか。
時に、相手が自分でも気が付いていない「伝えたいこと」や
「言いたいこと」があって、
それがふぅっと引き出せたりすると、
すごく嬉しかったりする。
お互いにすっきりして、清々しい気持ちになって、
これぞ取材の醍醐味だなあと、ある意味快感なのだけれど
残念なことに、その快感はいつも味わえるものではなく。
ほんとに難しい。


この本が教えるコミュニケーションのノウハウは、
言葉遣いや表情などに頼る小手先の技術ではない。
自分が伝えたいこと、相手が求めていることを
しっかりと認識するためのノウハウだ。


伝えるために、まず自分の気持ちをはっきりと見据えること。
そして、相手の「問い」を認識すること。
考えて見ると、
自分が本当に伝えたいことを伝えられなくてもどかしく感じたり、
相手の気持ちとずれたことを言ったりしてしまったりして
お互いになんだか不完全燃焼、みたいになってしまうのは
この2つを自分で把握できていないときだ。


そして、この2つをきちんと把握できてこそ
「問い」を共有できる。

他人と「意見」を共有するのは難しくても、「問い」なら共有でき、信頼感も増す。


なるほど、と思った。
いろいろな意見の食い違いや価値観の相違というものは
そもそもお互いの「問い」から違っているからなんだなあ。


まあ、なるほどと思っても、それを実践するのは
これまでの自分の考え方やものの見方のクセもあるから
なかなか難しそうだけれど。
でも、目からウロコだった。
これから心掛けていかねば。


あなたの話はなぜ「通じない」のか

あなたの話はなぜ「通じない」のか