11月の読書メーター

2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1384ページ
ナイス数:48ナイス

友罪友罪感想
犯罪を犯した人、その家族、被害者とその家族。それぞれの思いや苦しみがあって。贖罪の方法も、生き方も、何が正しいのかわからない中で、それぞれの登場人物がどんな選択をしていくのか気になって、読み進めていった。大きな罪を背負った人が、苦しみながら罪を償い続けるために、誰かがそばにいるということが必要ならば、それもありなのかもしれない。中途半端に償うことをやめてしまうよりは。そして、人の苦悩を面白半分に扱う人や、苦悩がそばにあると不愉快だからと排除しようとする第三者も、実はとても罪深いのかもしれないと思った。
読了日:11月4日 著者:薬丸岳


モルヒネ (祥伝社文庫)モルヒネ (祥伝社文庫)感想
うーん。つまんなかった。今の恋人と昔の恋人を比べ続けているのも不愉快だし。いきなり現れて自分の想いを遂げるために周囲の人を振りまわす前の恋人も、なんだかなあ。そんな彼をわかってあげられるのは私だけ、みたいな共依存的な関わりも、それが本当の愛というならそれで別にいいけど、別に美しくも感動もしない。
読了日:11月6日 著者:安達千夏


ペコロスの母の玉手箱ペコロスの母の玉手箱感想
前作と比べて、だいぶん老いが進んだみつえさん。胃ろうにしたときの葛藤は胸にせまった。発語が少なくなって、ときおり涙を流したりほほ笑んだりするみつえさんを見て、過去と現在を行ったり来たりするみつえさんの世界を描くペコロスさんの創造力がステキ。私もこんな風に親を見守ることができる子どもになりたいと思った。そして、施設のスタッフがいいです。いい施設だったんだなあ。
読了日:11月16日 著者:岡野雄一


隠蔽捜査 (新潮文庫)隠蔽捜査 (新潮文庫)感想
読み始めは、すっごいイヤなヤツだと思っていた警察官僚の竜崎。でも、イヤなヤツと思うあれこれにも、ちゃんと意図があって。変人だけれど、憎めないような。そんな竜崎に仕事でも家庭でもトラブルが次々に起こり、どうなることやらと思っていたら、彼流の正論を通すことで、いい感じに進んで行って。正論は時に人を傷つけるけれど、貫き通すと、また違う世界が開けるのかもしれない。面白かった。
読了日:11月26日 著者:今野敏

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