2月の読書メーター

2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1527ページ
ナイス数:55ナイス

ペテロの葬列ペテロの葬列感想
バスジャック事件から始まり、そこからつながる詐欺の世界。人の心の弱さに付け込み、あやつる恐ろしさがじわじわ来る。詐欺なんて、なくなればいいのに。そして、最後がビックリ。まあ、ときどき杉村夫妻のバカップルぶりにうんざりしていたのでいいんだけれど、奥さんの言い分がわかるようなわからないような……。あと、とにかく本が分厚くて重かった(>_<)
読了日:2月5日 著者:宮部みゆき


殺人出産殺人出産感想
10人出産すれば1人殺してもいいというルールのできた社会。うーん、私はつわりが重いから無理だなあ。短編集だったけれど、3人で付き合うのが普通の「トリプル」や性的な関係を排除した「清潔な結婚」など、現在の社会では当たり前のことが当たり前ではない男女の関係の世界で、不思議な感じだった。
読了日:2月10日 著者:村田沙耶香


しろいろの街の、その骨の体温のしろいろの街の、その骨の体温の感想
中学生のスクールカースト、恋愛、性。まだ未熟で自意識過剰で、常に人と比べる中で自分の価値観を見出す時期。読んでいて、結構つらくなる。自分がというより、これから中学生になる娘が多かれ少なかれこういう世界に入っていくんだなと思うのがつらい。主人公が不器用で少しずつながらも成長できそうなところがちょっと救いかな。
読了日:2月13日 著者:村田沙耶香


夢幻花(むげんばな)夢幻花(むげんばな)感想
朝顔市での出会いと別れ、花好きの祖父が殺される事件、バンドマンの自殺、などなどいろんな要素が最後に一つの物語を作り出して、さすが!という感じ。物語をつなぐ黄色いアサガオの秘密が予想外だった。おもしろかった。
読了日:2月22日 著者:東野圭吾

読書メーター

 1月の読書メーター


2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1041ページ
ナイス数:55ナイス

果断―隠蔽捜査〈2〉 (新潮文庫)果断―隠蔽捜査〈2〉 (新潮文庫)感想
前作では、主人公の竜崎に最初違和感を持っていたけれど、今作ではすっかりヒーロー!でも、妻の病気に心を痛めたり、いろんな妨害が重なって一瞬弱気になってしまったり、でもそこからの立ち直りと巻き返しが爽快。前作ではとんでもない刑事だった戸高の活躍もよかった。このシリーズ、全部読みたい。
読了日:1月2日 著者:今野敏


豆の上で眠る豆の上で眠る感想
姉が行方不明になった事件を、妹の視点から描いたお話。そうそう、子どもって大人が思うよりずっといろんなことがわかっているし、ちゃんと見ている。妹も、姉も、大人の勝手な思惑や都合やエゴに翻弄されていて、切ない。最後はちょっと強引だったような気がする。うーん・・・な感じだった。
読了日:1月11日 著者:湊かなえ


フォルトゥナの瞳フォルトゥナの瞳感想
死に近づいている人が透けて見える能力を持つ主人公が、その能力ゆえに人の人生を救うこと、人生を変えることについて悩みながら、最終的な結論を出すまでの物語。人の生死にかかわることだから、もちろん気持ちが揺れ動くのはわかるんだけど、ちょっと堂々巡りが長すぎて途中で、うーん・・・という気持ちになってしまった。
読了日:1月18日 著者:百田尚樹

読書メーター

 12月の読書メーター

2014年12月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:793ページ
ナイス数:69ナイス

夢を売る男夢を売る男感想
自費出版をジョイント・プレスとかっこよく言い換え、本を出したい素人を言いくるめて(騙して?)設けている出版社。サイテー!と思いながら読みつつも、実は筋が通っている部分もあり、最後は正義の味方のような感覚すら持ってしまう。面白かった。
読了日:12月9日 著者:百田尚樹


輝く夜 (講談社文庫)輝く夜 (講談社文庫)感想
クリスマスの夜に起こる奇跡の物語。ちょうどクリスマス前に読んで、ナイスなタイミング。奇跡と言っても、登場人物はふだんどこにでもいそうで、そして、あまり幸せではなくて。そして、クリスマスに起こる不思議な出来事は、ありえないだろーと思いつつ、でもハッピーエンドで終わる心地よさと安心感を感じさせてくれる本。こういう本もいいなと思う。
読了日:12月17日 著者:百田尚樹


アイネクライネナハトムジークアイネクライネナハトムジーク感想
登場人物がなんとなくつながっていて、それがなんだか嬉しくなる短編集。ちらっとしか出てこないけれど、いい味を出している課長とか、自由な織田パパとか、人気者の女子に誘われた男子生徒を邪魔するその他男子たちとか、脇役もいい。普通に生きている人がいとおしくなるお話。
読了日:12月26日 著者:伊坂幸太郎

読書メーター

 11月の読書メーター

2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1384ページ
ナイス数:48ナイス

友罪友罪感想
犯罪を犯した人、その家族、被害者とその家族。それぞれの思いや苦しみがあって。贖罪の方法も、生き方も、何が正しいのかわからない中で、それぞれの登場人物がどんな選択をしていくのか気になって、読み進めていった。大きな罪を背負った人が、苦しみながら罪を償い続けるために、誰かがそばにいるということが必要ならば、それもありなのかもしれない。中途半端に償うことをやめてしまうよりは。そして、人の苦悩を面白半分に扱う人や、苦悩がそばにあると不愉快だからと排除しようとする第三者も、実はとても罪深いのかもしれないと思った。
読了日:11月4日 著者:薬丸岳


モルヒネ (祥伝社文庫)モルヒネ (祥伝社文庫)感想
うーん。つまんなかった。今の恋人と昔の恋人を比べ続けているのも不愉快だし。いきなり現れて自分の想いを遂げるために周囲の人を振りまわす前の恋人も、なんだかなあ。そんな彼をわかってあげられるのは私だけ、みたいな共依存的な関わりも、それが本当の愛というならそれで別にいいけど、別に美しくも感動もしない。
読了日:11月6日 著者:安達千夏


ペコロスの母の玉手箱ペコロスの母の玉手箱感想
前作と比べて、だいぶん老いが進んだみつえさん。胃ろうにしたときの葛藤は胸にせまった。発語が少なくなって、ときおり涙を流したりほほ笑んだりするみつえさんを見て、過去と現在を行ったり来たりするみつえさんの世界を描くペコロスさんの創造力がステキ。私もこんな風に親を見守ることができる子どもになりたいと思った。そして、施設のスタッフがいいです。いい施設だったんだなあ。
読了日:11月16日 著者:岡野雄一


隠蔽捜査 (新潮文庫)隠蔽捜査 (新潮文庫)感想
読み始めは、すっごいイヤなヤツだと思っていた警察官僚の竜崎。でも、イヤなヤツと思うあれこれにも、ちゃんと意図があって。変人だけれど、憎めないような。そんな竜崎に仕事でも家庭でもトラブルが次々に起こり、どうなることやらと思っていたら、彼流の正論を通すことで、いい感じに進んで行って。正論は時に人を傷つけるけれど、貫き通すと、また違う世界が開けるのかもしれない。面白かった。
読了日:11月26日 著者:今野敏

読書メーター

 10月の読書メーター

2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1269ページ
ナイス数:32ナイス

その青の、その先の、その青の、その先の、感想
高校2年生の女の子が主人公のお話。あの時代のなんとなく不器用でもどかしい感じがじわじわ伝わってきた。登場人物が一見イヤな人でも、その奥に持っている良いところというか、切ないところが描かれているのがいいな。今の高校生の生態をよく知っているので、若い作家さんと思ったら、40代ということでビックリした。
読了日:10月2日 著者:椰月美智子


爪と目爪と目感想
不思議なタイトルのお話。芥川賞だったんだ。ふーん…。爪を噛むことで心を安定させている3歳の女の子と、目が悪くてコンタクトを入れている義母。最後に、爪と目がこんな風にグロくつながるのかとビックリ。他2篇もなんとなく不思議でもや〜っとする話だった。
読了日:10月8日 著者:藤野可織


あなたにもできる悪いことあなたにもできる悪いこと感想
人の弱みにつけこんでボッタクリをするというのが、どうもイヤだなあと思って、早々と挫折しようと思いつつも読み進めているうちに、登場人物がだんだんと魅力的に見えてくるという不思議。だますほうもだまされるほうも、まあ、お互いさまというか、どちらも憎めなくなるというか。結果的に最後まで楽しく読めた。
読了日:10月20日 著者:平安寿子


ユマニチュード入門ユマニチュード入門感想
認知症のケアで必要な具体的な声がけの仕方や、視線の合わせ方など、イラストがふんだんに使われていて、とてもわかりやすかった。「見る」ということの大切さ、これは普通の人間関係にも十分当てはまることだなあと思う。人を人として接するということ。それを忘れないようにすることが、逆に介護をする人にとっても救いになるような気がする。
読了日:10月20日 著者:本田美和子,ロゼットマレスコッティ,イヴジネスト


暗黒女子暗黒女子感想
女子校でカリスマ的な人気を持つ少女いつみの死が、彼女を取りまく文学サークルのメンバーそれぞれの視点から描かれる。同じ出来事でも、違う人の視点から見るとまるで異なる意味合いを持つのがおもしろい。それにしても、女子の世界って大変だなあ。いや、女子というより男女問わず、この年代の子たちの関係性なのかな。
読了日:10月24日 著者:秋吉理香子


ペコロスの母に会いに行くペコロスの母に会いに行く感想
映画がとても良くて、本も読んでみた。認知症になって過去と現在を行ったり来たりする母。自分を苦しめた夫のことも、若き日のつらい貧乏な生活も、坂の町も、みんな受けとめて、許して笑っている。年を取ることも、ボケることも、悪かことばかりじゃなかかもしれん。ステキなことだと思わせてくれた。ペコロスさんが描く長崎の風景や街並み、長崎弁がなつかしくて泣けた。
読了日:10月27日 著者:岡野雄一

読書メーター

 9月の読書メーター

2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:571ページ
ナイス数:21ナイス

なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白感想
ラジオで小雪さんがこの本のことを話しているのを聞いて、興味を持って読んで見た。宝塚のイジメのことも、父親から受けたという性的虐待のことも、こんなことが実際に起っているんだと、ただただビックリしてしまった。それにしても、カウンセリングの中で、母親と話し合うことは必要なかったんじゃないかなと思った。
読了日:9月12日 著者:東小雪


セラピストセラピスト感想
物語と思っていたら、ノンフィクションだった。いろんなカウンセリングの考え方や歴史がわかって、勉強になった。よくわからなかった箱庭療法についても、箱庭がこれほどまでにクライエントの心の中を語ってくれるのかと面白かった。でも、それに寄りそうのもかなりの技量がいるような気がする。
読了日:9月29日 著者:最相葉月

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ペコロスの母に会いに行く

長崎が舞台で、認知症の母親の介護のお話ということで、一度見てみようと思っていた映画。


もう、いきなり私が暮らしていた町が出てきてビックリ!
毎日小学校に通っていた道、マンガやお菓子をを買っていた商店、赤い県営バス
自分が育った町が映画になるなんて。感無量……


映画も、おもしろかった。
認知症のお母さんがかわいくて。
そして、なんだかんだ言いながら介護をするハゲた息子と孫、そして施設の人たちが温かくて。


でも、お母さんの人生もつらいことや悲しいことがいっぱいあって。
介護だって、つらくて悲しいこともあって。
それでも、支え合って、人は生きて行くことができるんだなあ。


「ボケるとも悪かことばかりじゃなかかもしれん」
という言葉がすとんと心に届いて、そして、勇気をもらえた。
いい映画だったなあ。