原稿用紙10枚を書く力  齋藤孝

よん様が読後、気になったキーワードをたくさん並べていたのだが
それが、おおっと興味を惹く内容ばかり。
というわけで、読んでみることに。


ライターの仕事をしていて思うのは、
仕事で書くということは、まさに「構築する」ということだと。
私の場合、メールだったり日記だったりというものは、
書く前に構成など考えることはほとんどなく、
ほんとにだらだらと思いつくままに書き流しているのだが
(だから、日記などはほんと、仕事関係の人に見られたくないというか
見せちゃいかんとつくづく思う……)
仕事の場合は書くまでが時間がかかる。


たまーーーーに、一気にぐわーーーっと書けることもあるけれど
(そして、そういう原稿の方が評価がよかったりする)
そういうのは、ほんとにほんとにたまーーーーに、であり、
普段は書くべき内容を書き出して構成を考えて
流れを考えて、言葉を考えて、これじゃつながらんとか
これじゃわけわからんとか、これじゃ唐突すぎて妙だとか、
あれこあれこれ考えて考えて、全体像がようやく見えて
一気にがーーっと書いて、それから推敲推敲……ぜいぜい。
うん。書くというより、作る感じ。
なので、この本の「レジュメ力をつける」はとても参考になった。

書くという作業は、料理で言えば、最週段階の焼いたり、炒めたり、煮たりすることにあたる。大事なのは、その前に下ごしらえがきちんとできているかどうかだ。

この本には、その下ごしらえに必要な手順がきちんと整理して書かれている。
なるほどなあ。
そして、おもしろいなと思ったのが

正確の違う三つのキーコンセプトを取り出して、その三つをつなげる論理を組み立てていく。

ということ。
これは、仕事としての文章を書くときだけでなく、
何かを見たり感じたりしたときの自分の気持ちや感情を分析するのにも、
子どもに文章を書くことを教えるときにも応用が利くと思った。


漠然とした自分の感情や、感じたことを言葉にして表現するというのは、
ほんとに難しい。
私もここで本の感想など書いているけれど、
もや〜と感じたことをうまく表せなくて、
結局読んだ本の覚書(感想ですらない)にしかなってなくて。
今度から、もう少しきちんと自分の感じたことを書くように
心掛けないといけないなあ、と反省。


なんて、自分で自分にプレッシャーをかけてしまった。ああ……


原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)

原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)