6月の読書メーター

2013年6月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1396ページ
ナイス数:27ナイス

なでし子物語 (一般書)なでし子物語 (一般書)感想
親の愛情を受けられず、いじめられて友だちがいない耀子と立海が「常夏荘」で出会う。幼い2人の子どもたちが、周りの大人たちに見守られて少しずつ心が強くなっていく様子が心にしみる。そして、周りの大人たちもまた、子どもたちの姿に知らず知らず心が満たされ、癒されているのがわかる。最後の耀子と祖父のシーンは泣けた。すごく心が温かくなる物語。
読了日:6月1日 著者:伊吹 有喜


殺人鬼フジコの衝動殺人鬼フジコの衝動感想
DV、いじめ、虐待、などなどのオンパレード。最初に「無事に最後まで読み終えることができたら…」と書いてあったけれど、たしかに途中で何度か読むのをやめようと思った。人の思惑ばかりに振り回されながらも、根っこの部分では自分中心のフジコ。いや、自分というものもないんだな。だから、人も自分も信じられなくて周りを巻き込んで底まで落ちていく。虐待の輪廻は信じたくないけれど、他の思考回路を見つけられなくなって輪廻にはまることはあるのかも。ともかく、続編は読まない。ギブアップ。
読了日:6月9日 著者:真梨 幸子


ハピネスハピネス感想
主人公の有紗の見栄っ張りで被害者意識の固まりで責任転嫁しまくりの性格にうんざりしつつも、とりあえず子どもはかわいがって育てている姿に安心する。タワーマンションのママ友の見栄の張り合いや腹の探り合いは「ふーん…」という感じ。私はそういうママさんとお付き合いしたことないからなあ。保育園ママは他人の生活に興味持ったり干渉する時間ないからね。有紗は少しは成長したけれど、まだまだお友だちにはなりたくないかも。
読了日:6月16日 著者:桐野 夏生


手のひらの砂漠手のひらの砂漠感想
読みながら息がつまりそうなDVの描写がつらい。やっと幸福が訪れようとしたところでまた災難が訪れての繰り返しに、主人公が幸せになるのを見届けたくて、どんどん読んでしまった。DVは、相手だけじゃなくてその周りの人たちの生活や未来までも不幸にする。そのDVに対して、建前やきれいごとじゃない決着のつけ方がすっきりした。そして、可穂子が傷つきながらも少しずつ強さを身につけていく様子と、可穂子を支える女性たちの姿に救われた。
読了日:6月20日 著者:唯川 恵

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