ちょいな人々  荻原 浩

頑張っているんだけれど、それがはたから見ると
ちょっと残念な、でも愛すべき「ちょいな人々」のお話。
7つのストーリーの短編集で、それぞれに
ちょいな人々が登場する。


いきなり会社がカジュアルデーなどを設けて
慣れない私服と、それに対する女子社員の言動に翻弄されるおじさんや、
ペットと会話をしたいという飼い主たちの熱い思いに応えた
「犬猫語完全翻訳機」でペットの本音を聞いてがくぜんとする飼い主と
開発者たちの一生懸命な様子など、
そのみんなの一生懸命なんだけれど残念な感じが愛おしい。
普通に生きてる人間って、ドラマみたいにかっこよくなくて、
でも、ステキだなあと思える。


好きな話は、いじめ電話相談室のお話と、
最後の巨人ファンのおとうさんと阪神ファンの彼氏の間で
ひやひやする彼女の話かな。


全体的に、軽い感じで楽しく読めて
夜、寝る前にお話を一つ読んで
ちょっとにっこりして寝るのにちょうどよかった。


ちょいな人々

ちょいな人々