天国はまだ遠く  瀬尾 まいこ

生きていくことに疲れきってしまった23歳の主人公が
自殺をするために、日本海側の田舎の村に辿り着く。
さっそく自殺をするのだけれど、あっさり未遂。
そのまま民宿で暮らすことにする。


自然とともに生きて、
身体の欲するままに食べて、歩いて、眠る。
つらい仕事、疲れる人間関係にどっぷり漬かっていた
都会での生活とまったく違うシンプルな暮らしに、
主人公もだんだん癒されていく。


そういう生活、いいなあと思う。
そうやって生きていけたらいいなあと、
特に毎日の生活に疲れちゃったときには思う。


でも、それでも、その時期に生きていく場所というのは
あるんだろうなあ。
それは、頭や心が決めるものではなく、
何かが決めるんだろうなあ。


私も、今住んでいる場所は
なんとなく仮住まいのような気分で、
本当に住みたい場所は他にあるけれど、
でも、それでもたぶん、しばらくはここにいるんだろうなと思う。


天国はまだ遠く (新潮文庫)

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