元気でいてよ、R2-D2。  北村 薫

まえがきに「怖い話」を含めた影のある短編集をつくることになったと
書かれてあったけれど、特にわかりやすい恐怖は感じなかった。


それよりも、普通に暮らしている人の中にある
嫉妬や、ねたみや、怒りや、過去のつらい記憶が
ふっと見えてしまう瞬間の怖さというか、
とりかえしのつかないことをしてしまったときの
心にぽっかりと穴があいたときの感じとか。


でも、ふだん生きていく中で
そういうのが一番怖いのかもしれないなあ。
オバケなんてしょっちゅう会うわけじゃないしね。


元気でいてよ、R2-D2。

元気でいてよ、R2-D2。