モダンタイムス  伊坂幸太郎

先日読んだ「魔王」が、なんとなく終わり方が続編があるような気がして
探してみたらありました。これこれ。「モダンタイムス」


続編と言っても、別に「魔王」を読んでいなくても
これ自体で面白く読めたかも。
物語は、「魔王」からさらに数十年後の未来の話になっていて、
登場人物も前作とは関係のないシステムエンジニアとその同僚や
恐ろしい奥さんが出てくる。


だんだん、話の中で前作ともリンクしてくるのだけれど。
登場人物たちが個性的でいいなあと思った。
特に恐ろしい奥さん。
最初はなんて女だ…と思うのだけれど
だんだん「頼りになるのは彼女だけ」と
最後の方はこちらもすっかり信頼してしまっていたり。


ただ、前作から引き続き
世の中のシステムというか「そういうふうになっている」から
そうせざるを得ないということ、
おかしいなと思いながらも、巨大な流れをとめることができないもどかしさ、
それがすごくひしひしと伝わってきた。


でも、大きな流れの中で結局は流されることになっても、
小さな反乱を起こすことをあきらめることはないんだなというか。
たとえそれが、逃げることでも、無視することでも、
自分の意思を持つということが大事なんだなと。
「考えろ考えろ」なんだなあ。


モダンタイムス (Morning NOVELS)

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