往復書簡  湊 かなえ

友人の結婚式で久しぶりに再開した高校時代の友人同士、
退職を迎えた教師と、同じく教師となったその教え子、
そして遠距離恋愛になってしまった恋人たち、
さまざまな状況で文通をすることになった彼ら。
最初は、ほのぼのとした様子で始まる文通が、
次第に過去の真実を暴きだしていく。


誰かにとっての真実も、
それは他の人にとっては真実ではなく、
というか、真実は全然別のところにあったりもして。
でも、みんな自分自身の真実の中で生きているんだなあと思う。
今、この瞬間も、私はいろんな思いこみを
真実だと思って生きているのかもしれないし、
それを前提として、これからの人生を生きて行くんだろうなあ。
真実を知ることって、本当はとっても難しくて
希有なことなのかもしれない。


なんてことを思った。
それにしても、手書きで手紙を書く機会って
ずいぶん減ったなあ。


往復書簡

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