あの日に帰りたい  乾 ルカ

こちらも短編集。
舞台はやはり、北海道。


今までの作品に出ていたグロテスクな部分はほとんどなく(少しあったけど)
どれも、「あの日」と「現在」が不思議にシンクロして
ほんわかと温かな気持ちになったり
切なくなったり
泣きたくなったり。


過去にとらわれずに生きた方が
それはいいんだけれど、
でも、どうしようもなく強い経験をしてしまったら
とらわれてしまわずにはいられない。
そして、それを悪いなんて言えないし、
そこから歩きだすのも、また自分しかなくて。


でも、そこから歩きだすときは
人って強く、やさしくなれるんだなあ。
と、思った。


あの日にかえりたい

あの日にかえりたい