九月が永遠に続けば  沼田 まほかる

先日読んだ「痺れる」のなんだかクセになりそうな
怖さというか不気味さが実際クセになったのか、
同じ作者の作品を読んでみたくて図書館で借りてきた。


これは「痺れる」とは違って長編の作品。
高校生の息子を持つ主人公が、17歳年下の自動車教習所の講師と恋仲になる。
17歳年下の男というところが、セカンドバージンとシンクロ。


が、内容はぜんぜん違う。
その後、ゴミを捨てに行った息子が忽然と姿を消してしまい、
17歳年下の恋人が死んでしまい、
そこに主人公の別れた夫や再婚した妻やその連れ子など
さまざまな人が絡んでくる。
そして、その再婚した妻と娘がまた
なんとも言えない男を虜にしてしまう魅力を持っていて。
それが周囲の男たちを惑わし、不幸にし、
彼女たち自身の運命も狂わせていく。


読んでいて、すごくつらくなる部分もあるのだけれど、
それでも読まずにいられない感じ。
おもしろかった。
ただ、作品としては「痺れる」の方が完成度は高いかなーと思った。


九月が永遠に続けば (新潮文庫)

九月が永遠に続けば (新潮文庫)