夜明けの縁をさ迷う人々 小川 洋子

9つの物語の短編集。
ちょっと不思議だったり、不気味だったり、
切なかったり、物悲しかったり。


「猫を抱いて象と泳ぐ」とか「博士の愛した数式」とか
そういう物語のディテールを感じさせる。
面白くてワクワクするような感じではないけれど、
一つひとつの物語を読み終わるたびに
大事にしみじみと余韻に浸りたくなるような。
そんな感じ。


ちなみに、私が一番おもしろかったのは
ちょっと変わった家を紹介する
「お探しの物件」。
家が住まい手を選ぶ。
うーん、現実には難しいけれど、
本当に家と住まい手がぴったりと出会えたとしたら
それはなんて幸せなことなんだろうと思う。


夜明けの縁をさ迷う人々

夜明けの縁をさ迷う人々