学問  山田 詠美


東京から地方都市に引っ越してきた小学2年生の仁美。
そこで、大人も子どもも先生も、誰も彼もを虜にしてしまう心太という
少年と友だちになる。
そして、眠ることが大好きな同じ社宅の千穂、食べることが大好きな無量と
4人組として、中学生、高校生と一緒に過ごしていく。


4人は、とても強い絆で結びついているのだけれど、
べたべたしているわけでもなく、
そこには恋愛感情も見え隠れしているのだけれど
実際の恋愛は持ち込んではいなくて。
恋愛を超える結びつきというか、
強烈に求めているのではないけれど、
なくてはならない関係というか。
うーん、むずかしいな。
でも、読んでいるとよくわかるし、うらやましいなと思う。
そして、こういう関係を描けるというのがすごいなと。


この4人の成長と同時に、
性の目覚めとその成長も描かれているのだけれど。
小学2年生の仁美の目覚めは、
自分の子どもも現在小学2年生なので多少びっくりしつつも
でも、そういうものなのかもなあと思ったりして。


物語には、ところどころに
4人の弔文が差し込まれている。
死に方というのは、生き方の延長なんだなあ。


学問

学問