家族の勝手でしょ!−写真274枚で見る食卓の喜劇−  岩村 暢子

あみさんが読んで面白かったというので
私も図書館で借りて読んでみた。
いろいろな家族に1週間の食事を写真で記録に残してもらい、
それをテーマ別に紹介した本だ。


人の家の食卓って、そうそうのぞけるものでもないし、
これがなかなか面白い。
こういう調査のためということで、
初日はきちんとした食事を出していても
1週間後にはとても寂しい食卓になっていたり。


でも、私も料理に関してはまったく他人様に自慢できることはない。
生協の「焼くだけ」「炒めるだけ」「チンするだけ」「揚げるだけ」を
ずいぶん活用しているし。
仕事で帰宅が遅くなってしまったときは、
駅のスーパーでコロッケ買って帰ったりするし。
メニューに困ったときは「クックパット」で検索して
できるだけ簡単にできるものを〜と探しちゃうし。


それでも、こんな私でも、結構ちゃんとやってる方なのねと
思わせてくれたのがこの本。
買ってきた惣菜をパックのまま出すことはしないし、
サラダや味噌汁はほぼ毎回登場しているし、
生協の焼くだけ、チンするだけに頼るときも
付け合わせや、そのほかのメニューは自分で作ってるし。
コンビニのお弁当をご飯にすることはないしなあ。


今、食育、食育とうるさくて、
そのおかげで懇談会とか学校説明会が長引くのが本当にイヤで、
そんな食育なんてする必要があるのかと思っていたけれど、
この本を読んで、なるほどなあ、必要なんだなあと、しみじみと思った。
世の中には、料理に対してまったく労力を使わず、
家族の食事というものを大事にしていない人ってたくさんいるんだなあ。
食事はただの義務になっていて、楽しみではないんだなあ。


でも、ふと気がついた。
先日、ツカサが入院していたときの我が家の食生活は
まさにこの本に出ているような悲惨なものだったと。


あの頃、俺様は毎日遅くまで残業で、会社で夕食を食べていた。
ツカサはもちろん病院。
夕食は私とリカだけ。
ツカサの夕食の時間に合わせて、コンビニやスーパーでお弁当を買って
病院で一緒に食べたり、
ツカサの夕食の時間に間に合わなかったときは、
19時や20時近くまで病院で過ごして、
帰宅した後にはご飯を作る気も起らず、
どうせ作っても少食のリカはほとんど残すなあと思うと
お惣菜を買ってきたり、うどんやお蕎麦をゆでてすませたり、
私は暑さで食欲もなかったので、ビールと冷奴だけだったり。


よっぽど料理が好きで、自分のためだけにでもちゃんと作ろうと
思う人は別だけれど、
やっぱり料理は「おいしいおいしい」とたくさん食べてくれる人がいてこそ
なんだなあと、その時に思った。
うちの場合はツカサがたくさん食べるので、
いつもいつもお惣菜を買ったりお弁当を買ったり外食をしたりすると
あっという間に破産してしまうから、
家でとにかく品数多く、量も多く作ることが必然になるわけだし、
疲れていても「今日のご飯なに?」「うわ、やったー」「味見させて〜」と
ご飯を楽しみにしてくれるからこそ、作ろうと思うんだなあと。


そして、リカもツカサがいるとつられて食べるらしい。
やっぱり、目の前で「おいしい!」と食べる人がいると
ちょっと食べてみようかな、という気持ちになるんだろうな。
と、私と2人だと、食に対して意欲を見せなかったリカを見て思ったのだった。


家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇

家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇