ハッピー・リタイアメント 浅田 次郎
財務省勤務の樋口さん(慎ちゃん)と、自衛隊勤務の大友さん(ベンさん)。
この2人が退職後、中小企業振興会に天下りを命じられた。
「天下り」ですか。
なんと、タイムリーな。
その天下り先の仕事は、時効になった借金の管理。
つまり、何もしなくてもいいということなのだ。
その上でお給料もたっぷりいただけて、
数年お勤めした後は退職金ももう一度いただけるという。
ほ〜。いいですなあ、天下り。
まさに、ハッピー・リタイアメント。
といっても、慎ちゃんとベンさんは、それをちっともハッピーと感じられず、
逆に違和感を感じまくる。
どうやらわけありの秘書兼庶務係の立花さんは、
そんな2人に他の天下り役人たちと違うにおいを感じたらしく
「仕事しましょう」と提案する。
その結果、思いもかけずに成果を上げることになった3人は、
本当のハッピー・リタイアメントを目指すのだ、が。
というようなお話。
浅田次郎の作品では、私は「プリズンホテル」が大好きで、
この作品もそのテイストが感じられて
面白かったのだけれど、
やっぱり、「プリズンホテル」の方が好きかな。
なんというか、スカーペッタみたいな感じかも。
ちょっと前のこの人の作品の方が好み、みたいな。
ラストも、ハッピーといえばハッピーなんだけれど、
なんだかなあ?と、なんとなくもやもや。
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/11
- メディア: 単行本
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