後悔と真実の色  貫井 徳郎

若い女性ばかりを狙う連続殺人事件が発生。
メッタ切りにした上に、指を一本持ち去るという
猟奇的な事件に、警察もその威信をかけて事件解決に向けて取り組む。
被害者が増えるたびに、捜査本部も拡大し、
捜査本部が拡大するにつれて、
警察内の人間関係も複雑化していく。


事件の謎を追うだけでなく、
この警察内の刑事たちの人間関係や
それぞれの刑事や警官の中に潜む
嫉妬心、虚栄心、敵意、自己否定感などに
どっぷりと満たされたドロドロした心理戦に
「そんなことやって情報を出し惜しみしたり、
情報を漏らしたりしてるから犯人が捕まらないんだよ!」
とうんざりしたりあきれたりしつつ、
警察の捜査の方法や内情が面白くて、
ついつい引きつけられる。


女の世界もドロドロしているものかもしれないけれど、
男の世界もそれ以上にドロドロしてるかも。
出世とか手柄とかがからむと、
こうも男はドロドロしてしまうのかと。


犯人探しの方も、最後の最後まで
これでもかこれでもかの展開で
なかなか犯人にたどり着けず、
こちらも最後まで引きつけられた。


登場人物も多いし、メモをとりながら読まなくちゃいけなかったし
読み終えるのに時間がかかったけれど、
その分、読み応えもあったなあ。
読書を堪能した!という感じ。

後悔と真実の色

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