ジェネラル・ルージュの凱旋  海堂 尊

前作の「ナイチンゲールの沈黙」と
並行して進んでいることになっているストーリー。
ということが読み始めてわかり、「ナイチンゲールの沈黙」はちょっと・・・と
思っていたので、うげーと思う。


が、うげーと思っていた要因の警察チームがほとんど出てこなかったし、
ジェネラル・ルージュこと救命救急センターの速水部長がかっこよくて
前作より面白かった。


しかし、どこの世界でもそうだけれど、
机上の論理を振りかざす人っているんだなあ。
そういう人に限ってとんちんかんなのだけれど、
本人はそれがまったくわかっていなくて。
今回はそれが倫理委員会の沼田委員長だったのだけれど、
よくここまで嫌な人間になれるな!というか。
こんなに嫌な人、書いててうんざりしなかったのだろうかとさえ思ってしまう。


うんざりというと、前作ほどではなかったけれど
「俺たち頭いいけど、ジョークも通じるんだぜ」的ニュアンスが
今回もじわりじわりと。
せっかく引き込まれて読んでいるのに、そういうのを感じると
すーっと冷めてしまう。
バチスタのときはそうでもなかったのに。
なんだか、うーん・・・、まるで、スカーペッタシリーズみたい。


ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋