阪急電車 有川 浩
阪急電車、昔、数ヵ月間だけ利用していたことがある電車だ。
といっても、この物語の舞台となっている今津線ではなかったけれど。
阪急今津線の電車内で起こる物語を、
一駅ごとに綴った短篇連作集。
一つひとつの話は独立しているのだけれど、
登場人物が他の話ともリンクしていて、それがまた面白い。
たまたま同じ電車に乗り合わせた人同士の人生が一瞬交錯して、
そして、その後のそれぞれの人生を少しだけ、
時には大きく変える。
恋のはじまりにほっこりしたり、
別れを決意する女性に、頑張れ頑張れ!と応援したり。
読んでいて、素直に楽しめた。
一番ステキだったのは、孫と電車に乗っていたおばあさん。
かっこよかった。いいなあ。
でも、こういう物語が生まれたのも、
これが大阪の電車が舞台だからなのかも、と思ったり。
いや、ここが東京だからって、それは言い訳だな。
東京にも、きっとほっこりさせてくれる物語はたくさんあるはず。
自分で見つけようとしてないだけなのかも。
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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