火車  宮部みゆき

最近、本というと仕事に関連したものが多かったので、
久しぶりに楽しむためだけに本が読みたくなった。
といっても、図書館に予約している本たちは
まだまだ順番待ちばっかりだったので、
家の本棚にあった「火車」を久しぶりに引っ張り出してきた。


ずいぶん久しぶりだったので、内容もすっかり忘れていて
初めて読むように楽しめた。
ただ、この本が出されたのが1992年で、今から16年前ということで、
その間の時代の流れをひしひしと感じた。
たとえば、推理をしていく上で重要な鍵となるのが
社会保険の加入履歴なのだけれど、
今やその加入履歴にもれがあると大騒ぎになっているわけだし、
あと、赤福の店舗が重要な話し合いの場として使われているのだけれど、
もし今だったら、赤福は登場しないだろうなあとか。


それでも、ストーリーはとてもおもしろかった。
普遍的な人間の心の情景というのは、
時代の流れや技術の進化で左右されない面白さなんだなあと実感した。


火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)