とりつくしま  東 直子

この世に気がかりなことを残したまま死んでしまった人に
あの世で「とりつくしま係」が
この世の何かにとりつかせてくれる。
でも、人にとりつくことはできない。
大切な人の身の回りにある「モノ」を選んで、とりつく。


という、ちょっと不思議なお話なのだが。
先に死んでしまった人が、残された人を想う気持ち、
そして残された人が死んでしまった人を想いながらも
少しずつ前に進んでいく姿が、
じんわりと胸にしみた。


私だったら、何にとりつくかなあ。
子どもたちが大人になるまでそばで見守れるような、
そしてその後はさくっと消えてなくなるようなものがいいなあ。
たとえば、そうだなあ。
えーと。


うーん……(←思い浮かばない)


とりつくしま (単行本)

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