ニシノユキヒコの恋と冒険  川上弘美

ろくさんとよんさまが読んでいたこともあり、
気になって読んでみた。


ニシノユキヒコという一人の男を愛したり、
愛されたりした女性の視点による10の連作短篇集。
なんとなくとらえどころがなくて、
ふわふわしてるようで、
特に目立つわけでもないのに、なぜか女にモテるニシノユキヒコ。


ああ。私は、こんな人を知っているなあ、と思った。
むかしむかしの話だけど。


どんなに好きになっても、
そしてどんなに好きになってもらっても、
未来には「さよなら」しか見えない人。
女にはそれがわかるのに、
男の方はわからない。


そして、結局は女がさよならを言って、
男は、ああ、またふられちゃったなと思う。
どうしていつもオレはそうなんだろうと思う。
でも、本当にふられちゃったのは、女の方なのだけれど。


うーん。今はもう、そんな恋愛も気力がなくてできないなあ。
でも、もう一度、ニシノユキヒコみたいな人に
出会ってみたい気も、ちょっとだけするけどね。


ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

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