小学五年生  重松清

おっと、気が付いたらユウキも4月から6年生ではないか!
というわけで、5年生のうちに読もうとあわてて図書館から借りてきた。


4月から翌年の3月までの一年間、
それぞれの時期を過ごすさまざまな5年生の少年の姿を描いている。
転校した子、転校した友だちを訪ねる子。
両親が離婚した子、同級生にほのかな恋心を感じる子。
イジメながら覚える罪悪感、バレンタインの一日の葛藤。


友だちの気持ち、親の気持ち、自分の気持ち、
いろいろなことがわかり始めてくるからこそ、
低学年のときのように
ストレートに気持ちを表現したりできなくなってきて、
だからこそなんだか不器用で。


そんな時期は、自分にとって思い出すのも気恥ずかしいような
もどかしいような、かっこ悪いような。
でも、あえてそこに焦点を当てて書いちゃうというのは
すごいなとも思う。


5年生というと、肉体的にも精神的にも女の子がぐーんと成長する時期。
低学年のときから知っていた女の子が、
久しぶりに会うとぐっと女っぽくなっていてびっくりしたりする。
男の子はそんな女の子に圧倒されたり、
置いてけぼり感を感じたりするんだろうなあ。
私は自分が女だからよくわからないけれど、
まだまだ同学年の子と比べて幼いユウキも
多少はそういうところもあるんだろう。
今までとはちょっと違った目線で自分の子どもや
その友だちを見てしまいそうだな。
ふふ。楽しそうだ。


小学五年生

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