絶対泣かない

以前、山本文緒にはまっていたことがあった。
さらっと読めて、ところどころに琴線に触れる部分があったりして、
気持ちよく読めるというか。
電車で読むのにちょうどいいような。
なので、通勤の時に読む本を買いにふらっと本屋に行き、
他に買いたいものがない時は、とりあえず山本文緒を買ってたかな。


そして、ある時、本屋で気がついた。
さて、買おうと思った時に、自分が持っている本と持っていない本が
わからないということに。


さらっと読めていいのだけれど、
あまり心にゴーンと訴える話がなくて、
一冊一冊に対する印象があまりなかったのかも。
読んでいる時は心地いいんだけどね。って、失礼だな、おい。


というわけで、久しぶりに引っ張り出してきて読んだのがこの本。
15種類の職業別に、それぞれの仕事を持つ女性の
心の揺れや悩みや葛藤を描いたもの。
やっぱり、全然内容は覚えていなくて、新たな気持ちで読んで楽しかった。


一番心に残ったのは、最初のフラワーデザイナーの話で出てきた言葉。

仕事をする、ということは、遊びとは違うのだ。
自信をなくし、そしてまた違う形の自信を取り戻す。
そうして進んでいくものなのかもしれない。

そうだね。たとえ、今日、自信をなくしてしまったとしても、
それを乗り越えたところで、また別の自信を手に入れることが
できるのかもしれない。


だから、もう少し頑張ってみようか。


なんて、ちょっとくじけていた時だったので、
元気をもらえた、かな。


絶対泣かない (角川文庫)

絶対泣かない (角川文庫)