プロメテウスの涙  乾 ルカ

心療内科精神科医の涼子のもとに、
小学校時代の友人、小百合が娘のあや香を連れて来院する。
小学3年生のあや香が、頻繁に奇声を上げながらおかしな動きをするらしい。
それまでもたくさんの病院を回ってきたけれど、
結局治療できなかったと言う。


そして涼子の大学時代の友人である精神科医の祐美。
彼女はアメリカで研究室を渡り歩きながら研究をしている。
そして祐美がであったのが、
刑務所の死刑囚。S16と呼ばれるこの男は、
10歳の女の子を暴行して殺した罪で服役しているのだが、
3度の死刑執行でも死なず、その後、全身をガンにむしばまれているのに死なない。
身体からは蛆がわき、常に激痛に苦しみもがきながらも、
絶対に死なないのだ。


日本とアメリカの遠く離れた土地のこの2つの不思議な症例が、
実は深く結びついていることが、
涼子と祐美によってわかってくる。
とても不思議な話だけれど、
ある意味、SFっぽいのかもしれないけれど、
でも、SF苦手な私も面白く読めた。


ただ、描写がところどころグロテスクで、
ぐへ〜となっちゃうけれど。
でも、嫌いではない。うん。
(ちなみに、表紙もすごい。ブックカバーなしで触れない)


プロメテウスの涙

プロメテウスの涙