ツナグ 辻村 深月
「ツナグ」というのは、生きている人と死んでしまった人とを引き合わせる
「使者」という役割をする人のこと。
死んだ人にどうしても会いたい人は、ツナグを探して依頼をする。
ただし、生きているうちに死者に会えるのはたった一度。
そして、死者にとってもツナグを通して生きている人に会えるのはたった一度。
ツナグに依頼をする人たちと、
ツナグ自身の物語で構成された物語で、
その中には希望があったり、救いがあったり、
そして、絶望もある。
でも、最後には「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」のときのような
なんとも言えない切なくて心が暖かくなるような
どんでん返しが待っている。
やっぱり、一番心に残ったのは
女子高校生が、事故で死んだ親友に会う話だなあ。
純粋でまっすぐだからこそ
相手のことを大事に思うからこそ、
許せなかったり、憎んだり。
うーん、つらいなあ。人間って。
若いって、つらいなあ。
でも、「ツナグ」の役目を引き継いだアユミくんの若さには希望があって。
私も若い人に希望をたくして
あとはよぼよぼと年を取っていくんだなあ。
それもいいなあ。
なんてことを思った。
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 新潮社
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