空飛ぶタイヤ 池井戸 潤
大型トレーラーのタイヤがいきなり外れ、歩道を歩いていた母子に激突。
幼い息子は軽症ですんだけれど、母親は亡くなってしまった。
ああ、あの事件がモチーフなのかと、すぐに思い浮かんだ。
事故原因は運送会社の整備不良ということで、
運送会社は経営危機に陥ると同時に、世間から厳しい非難を浴びる。
警察からは犯人扱いされ、家宅捜索をされ、
被害者からは激しい怒りをぶつけられ、
得意先からは契約を切られ、
銀行からは取引停止され、
なんとPTA会長の座も追われようとし、
子どもは学校で濡れ衣を着せられ、いじめられる。
従業員も去って行く。
なんといっても、自動車会社の対応がまた腹立たしい。
むっかー!と来ながらも、それでも彼らの対応が分からないではないと思われるのは、
それぞれの立場や考え方や部署の背景などが、
きちんと丁寧に描かれているからだろう。
最初は読んでいてつらかった。
「アイシテル」を見ているようにつらい。
事態が好転しようとしながらも、どたんばでまた逆戻りしたり、
その度に運送会社の社長、赤松さんと一緒にがっくりして。
でも、とても苦しい状況の中でも、
人間の温かみや良心、誠意、そして正義を守ろうとする信念が嬉しくて、
時には泣きながら、時には怒りながら、
夢中になって読んだ。
これはドラマ化されたそうだけれど、
残念ながらWOWOWに入っていない私は見ることができなかった。
というわけで、私なりにドラマ化された場合のキャスティングを。
◆赤松運送
赤松社長:佐藤浩一(中堅運送会社の社長を泥臭く演じてくれそう)
赤松の妻:薬師丸ひろ子(本上まなみもいいかなあ)
宮代専務:地井武男
小諸弁護士:小日向文世(飄々としながらホープ自動車をズバズバ切ってほしい)
◆ホープ自動車
沢田(販売部):伊藤英明
沢田の妻:りょう(私の中ではこの人しかいない)
小牧(車両製造部):国分太一
杉本(ネットワーク管理者):堂本剛(大阪に飛ばされるオタク。ぜひツヨちゃんに)
狩野常務:西田敏行
三浦(財務部):伊東四郎
◆東京ホープ銀行
巻田専務:平泉成
井崎(本店営業):城島リーダー
濱中営業部長:渡瀬恒彦
◆被害者
柚木雅史:谷原章介
◆警察
高幡刑事:國村隼
登場人物がものすごく多いので、全部は決められなかったけれど。
本当のドラマではどうだったんだろうなあ。
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