逃亡くそたわけ

以前、新聞のインタビューで、著者が
「書いたものは必ずプリントアウトして、何度も音読する」
というようなことを言っていた。
何万字も書く小説家がそうしているのだから、たかだか数百字、数千字しか
書かない私もそうしなければ!と思ったものだ。
確かに、パソコンの画面で見るだけより、印刷して目で追うだけより、
声に出して読むとまた全然違うんだよなあ。


と、まあ、そういうわけで興味を持っていた小説家サンだったのだ。
これは、他は全部貸し出し中で、たまたま図書館に残っていた本。
舞台は九州、福岡。博多の精神病に入院していた主人公が、
入院仲間のなごやんを無理矢理誘い、南へ南へ逃避行する話。
福岡、大分、熊本、宮崎、鹿児島と、九州各地の情景が出てきて、
おまけに博多弁バリバリで語る主人公に、
九州人としては「そうたい、そうたい!九州が一番たい!」と
郷土自慢心をくすぐられて、大変気分がよい。


この著者のサイトは、大きなゴシック文字でゴンゴン訴えてきて
ちょっと引いてしまったけれど(内容は面白かった)。
でも、他の作品も読んでみたいなあと思った、ちょっと興味を引かれる人。


逃亡くそたわけ

逃亡くそたわけ